アメリカの総合コンポーネントメーカー「SRAM(スラム)」から、リア12段変速の無線コンポーネント「ライバルeタップAXS」が登場しました。ライバルは同社のロード用コンポーネントのラインナップでは上から3番目。上位機種とどのような違いがあり、また、共通点があるのかをご紹介します!
eタップAXSって何?
まずはスラム公式YouTubeチャンネルでポップに紹介しているので、ビデオをご覧ください。
そう、電動で、無線で、誰でも簡単に変速ができるコンポーネントなのです。変速レバーにはCR2032の電池を内蔵しており、Bluetoothでフロントディレーラー(FD)、リアディレーラー(RD)に接続。ディレーラーにはそれぞれ、充電式のバッテリーが備わっており、変速の信号を受けてギアをチェンジさせます。
シマノやカンパニョーロはシフティングの際、レバーの操作が合計4通りありますが、スラムのeタップAXSの場合は左右1つずつあるボタンを押す操作だけ。簡単に説明すると、右側を押せばRDが重くなる方向に動き、左側を押せばRDが軽くなる方向に動き、両方同時に押すとFDが現在と異なる側へと動きます。とてもシンプルな操作なので、ビギナーにこそ体験していただきたいシステムです!
※変速の設定は後述のアプリで変更可能
上位モデルとの違いとは?
これまでは上から「レッドeタップAXS」、「フォースeタップAXS」がラインナップしていました。一方、価格が高価で、なかなかビギナー〜中級者には手が届きづらいコンポーネントでもありました。しかし、今回登場した「ライバルeタップAXS」はセットで税込20万円を切る価格での発表となりました。
コンポーネント名 | 価格(税込) | 重量 |
レッドeタップAXS | 521,840円 | 2235g |
フォースeタップAXS | 380,468円 | 2509g |
ライバルeタップAXS | 199,067円 | 2767g |
レッドeタップから30万円以上、フォースeタップの約半額の価格差となりました。手の届くプライスになりましたね!ちなみに、レバーやディレーラー、ブレーキなどは上位モデルと互換性がありますので、ミックスしての使用もOKです。「ライバルで組んでみたけど、RDだけグレードアップしてみようかな」とか、「フォースを使っているけど、消耗品はライバルグレードにしてコストを抑えようかな」という使い方も考えられますね。選択肢が増えることは良いことです。
※ギア段数などによっては組み合わすことが不可能なものもありますのでご相談ください。
ライバルeタップAXSの特徴
基本的な操作方法は上位グレードと同じですが、異なるスペックもあります。まず、サテライトスイッチ「ブリップス」のポートがライバルでは設けられていません。その一方で、変速レバーの持ち手が5mmほど細くなりました(レッド/フォースは13.5mm、ライバルは13mm)。これにより、より手の小さい方や女性でもしっかりとレバーを握り込むことが可能になります。
これまではリアが11速でしたが、今回から12速化したことでギアの選択肢が増えたことも大きなメリットです。
アウター/インナー | 48/35 |
アウター/インナー | 46/33 |
アウター/インナー | 43/30 |
フロントシングル | 46T |
フロントシングル | 40T |
フロントのギアはアウター/インナーで3種類、フロントシングル仕様で2種類のギア数が用意されています。また、リアスプロケットは10-30Tと10-36Tの2パターンが用意されています。前述の通り、レッドやフォースのクランクやスプロケットを使ってもOKです。
※RDのキャパシティは28Tからのため、それ以下の歯数のスプロケは使用不可。
また、クランク長は160、165、170、172.5、175mmの計5種類用意されています。注目すべきは160mm長で、小柄な方でもベストマッチなクランクを選ぶことができるようになりました。これまではサードパーティ物を選ばざるを得なかった場合もあるかと思いますが、メーカーの純正品で揃えることができるようになります。
なお、ブレーキに関してはディスクブレーキのみのラインナップとなります。
アプリ「SRAM AXS」を活用しよう
無線コンポーネントのメリットの一つとして、スマホとの同期が挙げられます。スラムでは「SRAM AXS」という公式アプリが用意されており、ギアの設定やログの確認などさまざまな操作が可能です。ライバルeタップAXSも例に漏れず、レバーやディレーラーのバッテリー残量のチェックや、ライドごとの総シフト回数の確認なども行えます。これもワイヤレスならではの手軽さですね。
アプリ概要はコチラ(英語)
https://www.sram.com/en/sram/road/campaigns/axs-app
どのような自転車にベストマッチ?
12段変速と小さめのフロント歯数の組み合わせはギア比のワイドレンジ化へと繋がります。よって、ビギナーから中級者にとって最適なコンポーネントと言えるでしょう。レースでよりスピードを求めたい上級者にとっては、フロントの歯数が小さくことはデメリットにもなり得ます(50km/h巡航したいとか、下りで80km/h出したいとか)。一方、「そこまでスピードを出さずに、快適なギアを選びながら走りたい」という人にとってはワイドレンジは味方にしかなりません! もし、脚力がついてより上級レースにチャレンジしてみたくなっても、クランクやスプロケットのみを上位モデルに買い替えられますので安心ですね。互換性万歳!
オンロードだけでなく、近年トレンドのアドベンチャーバイク/グラベルバイクにも適しています。舗装路と比較すると未舗装路では絶対的に速度が落ちます。快適に走るためには最適なギア選択が重要となりますが、ワイドレンジ化はここでもメリットを発揮します。フロントシングル使用であればよりシンプルな構造なので、トラブル防止にも役立つでしょう。シマノのグラベル用コンポーネント「GRX」と同じカテゴリーとしても活用できますね。
また、昨今のコロナ禍の影響もあり、コンポーネントの品薄状態が続いております。特にシマノ製品は数ヶ月待ちの状況が一向に改善されていない状況です。これを機に、新しく組むバイクにはスラムを組んでみるというプランはいかがでしょうか。ライバルeタップAXSはU2 BIKESイチオシ商品です!7月下旬からセットで揃い始めますので、気になる方はぜひお問い合わせください!
商品概要はコチラ(インターマックスウェブサイト内)※PDF
http://www.intermax.co.jp/pdf/SRAM%20Rival%20AXS%20.pdf